羊命酒(ようめいしゅ)取材日記 竹野正法を探せ
今日は、竹の子書房の社屋へお邪魔してみようと思います。
早速、心の社屋へ行ってみましょう。
外観は中々の大きさの社屋です。
おや。社屋の前を掃除してる方が居ます。
掃除も完璧なんですね。
流石です。
清掃の方に会釈をして、早速社内へ。
エントランスホールです。
真正面に大きな肖像画があります。
絵の号数は解らないのですが、あの肖像画肩までしか見えない。
首から上が黒いシルエットになってる。
つまり、天井も見えない。
肖像画を見てると、受付の方から声を掛けられた。
「当社に何か?」
振り返るも人は無し。
「もっと下に目線を下さい。」
目線を落とすと猫が居た。頭には?マークが湧き出す。
「猫が話してる!?」
「この社屋ですので不思議は御座いません。」
次の瞬間気づく。例え誰であれ挨拶せねば。
「驚いて申し訳ありません。本日は取材にあがりました、羊命酒です。」
猫は首を傾げ、伸びをし欠伸をした。
「取材で御座いますか?特に何もありませんが、ご自由にどうぞ。」
視線を感じ肖像を見返るも何も居ない。
「そちらの肖像画は、故人 竹野正法です。絵のサイズは気にしないで下さい。」
「いや、普通じゃ無いサイズですけども。」
「気にしない!」
意外に大きな声に肩が竦み、当初の目的を思い出した。
「では、取材させて貰います。」
「案内しますよ、着いて来てください。」
傍目にはシュール、猫に先導されエレベーターホールへ向かう。
ホールには、清掃をしてる人の姿。
会釈するとあちらも会釈を返す。
「まずは社長室を案内します。」
箱に乗り込むも、猫は階数を押さない。
「あのー、どこの階でしょう?ボタン押しますけども。」
ニンマリ笑った気がした。
「何処でも貴方の思いつくボタンをどうぞ。」
何かおかしい?
「じゃ適当に25のボタンを押す。」
「ガタン」と駆動音を聴いたすぐ後、床が開いた。
猫の場所だけ床が残ってる。
「いってらっしゃーい、良い旅を。」
再びの「ガタン」と駆動音と共に床が戻りドアが開く。
外には先程の清掃員が満面の笑みで立っていた。
「逝ったかい?」
「えぇ、逝きましたよ。」と猫。
「彼はいつ気が付くのかね。」
「記憶もリセットだから無理ですよ、社長。」
「視える才能だけでは生き延びれないのだろうな。」
「ですよねー。」と猫。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」
数分後、ベッドの上で自分の叫び声で起き上がる。
嫌な汗をかいて背中は汗で濡れている。
「はっ!夢か、俺何してたんだっけな?」
確か竹の子書房の社長を取材に行って、そこから先の記憶がなぁ。
これはもう一回行くべきだな。
凄く精神的に疲れてるので、休んでからだな。
変な夢も見たから、文章にしておくか。
世の中色々な事があるものだ。
こうして謎の人物像は謎のままである。
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